不動産を売却した時に利益が発生すれば、他の所得と同様に利益に応じた税金が課税されます。ここでは利益に対して課される3種類の税金と、課税額及び節税対策について見ていきます。所有される物件の見直しや、税額の計算についても考えていく必要があります。
不動産を売却した時に課せられる3種類の税金とは
不動産の売却を考え契約が成立した際に、まず課されるのが印紙税になります。売買契約書に記された金額に応じた印紙の貼付が求められており、この契約書は売主と買主の双方が一通ずつ保管します。その両方の契約書に同額の印紙の貼付必須で、通常は両者がそれぞれの印紙代の支払いを行うのです。
この印紙税額は国税庁が定めており、その一覧表は公開されているので簡単に確認できます。次に課税されるのが物件の売却時に発生した、利益額に対して課税される譲渡所得税です。この譲渡所得額は譲渡した価額から、物件の取得費と譲渡にかかる費用を差し引いて計算されるのです。
譲渡総額がプラスになっていれば、譲渡利益が発生したことになりその価額が課税対象額です。逆にマイナスの場合は損失額となりますので、課税対象からは外れます。この売却益に一定の利率を乗じた金額が、所得税額となり分離課税のため確定申告が必要です。
同様に復興特別所得税も売却益に利率を乗じ、算出された金額を納税する義務が発生します。しかし、所有期間5年以上と5年以下では税率が異なり、また特例と軽減と軽減措置もありますので納付する税額は確定していません。
所有期間5年以上と5年以下の税率等による税額の相違
所有していた不動産を自宅として使用していた場合、所有期間5年以上と5年以下の税率には大きな差があります。5年以下の物件と5年以上の物件を比較した場合、その税率には倍近い差が出ます。売却を考えられる場合には、この所有期間をも充分に考慮しその時期を決めるべきです。
他にも税額が控除される特例と軽減措置もあり、居住用財産であれば3千万円もの税額が控除される制度もあるのです。マイホームの買い替えや、空き家の譲渡に係る税額控除の特例もあるのでよく確認しましょう。このような各種制度が適用になるかを、見逃す事無く申告をしなければならないのです。
ただ、間違えやすい考え方に、所有期間の計算の仕方があります。仮に物件の取得日が2015年の10月10日であって、売却日が2020年の10月10日であったとします。これであれば普通に考えれば、5年以上所有していたことになると考えがちです。
しかし、税法上では売却した年度の、翌年の1月1日を売却日として認定されます。従って売却日を2020年10月10日で申告してしまうと、所有期間は4年と判断されてしまうのです。このような事もありますので、諸制度の詳細も確認してから申告しなければなりません。
3種類の税金の節税のために為すべき事
納付しなければならない税金とは分かっていても、節税はしたいと考えるのが一般的だと言えます。そのためにも税率が大きく異なってしまう制度や、控除を受けられる特例と軽減措置を良く知っておく必要があります。個人で全てを行うのではなく、仲介会社等が入っているのであれば見逃しが無いように依頼すべきです。