マイホームの住み替えや転勤にともなう引っ越しなど、不動産の売却が必要になってくるシーンは少なからずあります。この場合の売主としての関心事は、やはりいくらで不動産が売れるのかということでしょう。その具体的な値段を知る上で重宝するのが不動産価格査定です。
不動産価格査定は査定の方法による種類が
ひとくちに不動産価格査定とはいっても、実は査定の方法によって大きくふたつの種類に分かれます。机上査定は物件の床面積や所在地、築年数などのデータから机上で妥当な価格を見積もる方法です。依頼してすぐに結果がわかるため便利ですが、その結果の正確性はあまり高くはないおそれがあります。
いっぽう訪問査定というのは、実際に不動産会社のスタッフが現地訪問して詳細に価格を見積もる方法です。本気で不動産売却を検討するのであれば、やはり訪問査定の方法を選ぶべきでしょう。こうした査定に必要な書類としては、とりあえず建物の図面と登記簿謄本が挙げられます。
ほかにも必要な書類として地積測量図や法務局の公図などを要求される場合があります。もちろん築年数が古い物件を売却する場合には、これらの必要な書類がすでに手元には存在していない可能性もあります。
その場合であっても管轄の法務局に出向いて請求をすれば、新築当時に提出された書類が保管されていることが少なくはありません。
訪問査定のチェック点と査定価格
不動産会社による訪問査定のチェック点はいくつかありますが、まず挙げられるのは建物の状態です。外壁をはじめ室内の床や柱などの建築構造の劣化、床の傾斜などの度合いを確認して、建物の資産価値を判断します。
室内の内装や設備ももちろん訪問査定のチェック点のひとつであり、特にキッチンやバスルームなどの水回りは劣化が進みやすい部分であり、リフォームをするにも費用がかかりますので、大きく資産価値を左右する場合があります。
ほかにも日照や騒音、近隣トラブルなどの周辺環境も、訪問査定のチェック点となっており、これらは机上査定ではなかなかわからない要素であるともいえます。もちろん築年数や建物の間取りの問題、太陽光発電や長期優良住宅認定などの付加価値があるかどうかも加味されます。
これらをトータルで判断した上で査定価格が決まりますが、不動産会社によって重視するポイントは異なりますので、同じ物件であっても金額に差がつく場合も少なくはありません。
査定の方法や必要な書類を知って活用を
このように査定の方法には机上査定と訪問査定といった種類があり、スピード重視なら机上査定ですが、本格的に売却を検討するならやはり訪問査定がベストです。査定にあたり必要な書類をあらかじめ用意しておくとスムーズに進めることができます。